half-real

【書籍】

ハーフリアル ― 虚実のあいだのビデオゲーム


著 イェスパー・ユール  https://www.jesperjuul.net/

訳 松永伸司  http://9bit.99ing.net/


PDF版: 2016年8月31日発売 定価2800円+税 (ISBN-978-4-908124-09-9)
◆ダウンロード販売ページ ▷ https://gum.co/jYTqv

冊子版: 2016年9月30日発売 定価3500円+税 (ISBN-978-4-908124-08-2)
【2016/10/3 お詫び:冊子版のISBNとして、誤ってPDF版のISBNを記載しておりました】

※正誤表がこのページの下部にあります

サムネイル
背表紙


装丁 矢野由布子 http://yyyacooo.com/



ビデオゲームは、
半分現実、半分虚構。

ゲームとは? ゲームの楽しさとは?
伝統的なゲームとビデオゲームはどうちがう?
ビデオゲームのプレイは現実? それともフィクション?

新旧のゲーム研究に加え、文学理論、映画学、認知科学、心理学、計算機科学、システム理論、ゲーム理論といった多彩な分野からの研究成果を援用しながら、こうした問いを丁寧かつ明快に解きほぐす。
ゲーム研究の記念碑的名著、待望の邦訳。



【訳者あとがきより抜粋】

イェスパー・ユールは、デンマーク出身のゲーム研究者。ニューヨーク大学ゲームセンター助教などを経て、現在デンマーク王立芸術アカデミー・デザイン校の准教授。著書に、『Half-Real』(2005)、『A Casual Revolution』(2009)、『The Art of Failure』(2013)の3 冊がある。学位は修士号・博士号ともにコペンハーゲンIT 大学で取得している。修士論文「A Clash between Game and Narrative」(1999)が数多くの文献で参照されていることからもうかがえるように、北欧を中心とした初期ゲーム研究の中心人物として早くから活躍した。そして、博士論文の書籍化として刊行された『Half-Real』は、いまやゲーム研究の古典になっている。

『Half-Real』の焦点は、大まかに言えば以下の3 つだろう。

ゲームの定義(2 章)
ルールとゲームプレイの構造とその経験(3 章)
ビデオゲームにおけるフィクション要素のあり方とその役割(4 ~ 5 章)

それぞれについてユールの独自性がある。「古典的ゲームモデル」は、先行する定義論を批判的に整理しなおしたものだ。しかし、ユールはその定義を境界事例やゲームの多様性の説明に使えるものとして提示している。その議論は、定義として十分に説得的であることに加えて、定義の意義と使い方についてはっきり示しているという点で、ゲームの定義論の金字塔だと言える。ルールとゲームプレイの議論もまた、その多くが先行の研究や言説にもとづいたものだ。しかし、多彩な分野からの成果をゲームについての一貫した理論にまとめあげるという仕事は、明らかに過去に例を見ない。ゲームデザインやゲーム批評の文脈でしばしば語られる事柄に明確な定式と理論的な裏づけを与えているところもまた、この本の美点だ。ユールが「ルール」と「フィクション」と呼ぶものの区別は、ビデオゲームに多少なじんでいる人であれば誰でも承知していることだろう。しかし、ユールはそれぞれの領域を明確に描き出したうえで、両者のさまざまな関係のあり方を綿密に論じている。たとえ似たような議論があるとしても、概念的な混乱を招きがちな論点をここまで明快に整理して論じているものは、この本以前にはない。


目次

※まえがきと序論はこのページ末尾の「HalfReal_Introduction.pdf」から、参考文献と索引は同「HalfReal_References.pdf」からダウンロード可能

まえがき 5

1. 序論 9
  古さと新しさ
  ルールとしてのゲーム
  フィクションとしてのゲーム
・ゲームとはなにか
・ビデオゲーム研究について
  ほかの目的のためのゲーム
  それ自体のためのゲーム
  ビデオゲーム研究
  ゲームかプレイヤーか
  ルールかフィクションか
  物語るゲーム
  ゲームか、もっと広い文化か
  ゲーム存在論かゲーム美学か
 楽しさを理論的に考える
 ゲームの文化的地位
 この本について

2. ビデオゲームと古典的ゲームモデル 37
・言葉の問題
・先行の定義論
  ルールと結果
  目標と争い
  自発性
  分離と非生産性
  効率のよくない手段
  フィクション
  社会的な集団形成
  ゲームとプレイヤー -- 目標についてもう少し考える
  分離と非生産性 -- 取り決め可能な帰結
・ゲームの境界について
・物としてのゲームと活動としてのゲーム
・ゲームの事例
  チェッカー
  サッカー
  『Battlefield 1942』
  境界事例 -- 『SimCity』
・媒体横断的なゲーム
  実装と翻案
  ゲームの実装ー領域間の対応付け
・古典的ゲームモデルの限界

3. ルール 76
・ルールとはなにか
・戦略と状態機械
  アルゴリズムとしてのルール
  ルール作りとルール変更
  ルールについて話し合う楽しみ
  他の種類のルール -- ゲーム運用、スポーツマンシップ、重力
・ルールの構造 -- 創発型ゲームと進行型ゲーム
・進行型ゲーム
・創発型ゲーム
  創発からゲームを考える
  創発とプレイヤー
・創発と進行の混合型ゲーム
・ゲームプレイ -- ルールの実行
  ゲームプレイと社会的側面
  楽しいルール -- 興味を引く選択と思考の美的感覚
  実践による上達 -- プレイヤーのレパートリー
  進行 -- プレイヤーのレパートリーに働きかける
  創発 -- ひとりでに生まれる挑戦課題
・創発的な挑戦課題の標準形
  より基本的なパターン -- 自分の拠点
  チョークポイント
  ゲームデザインパターンの不安定さ
・挑戦課題の良し悪し
  単一の解か複数の解か
・挑戦にまつわる問題
・挑戦課題の一貫性についての慣習
・ルールの楽しさ

4. フィクション 155
・虚構世界
・なぜマリオには3つの命があるのか
・抽象と具象のあいだ
・虚構世界の作り方
  サウンド
  テキスト
  カットシーン
  タイトル、説明書、パッケージ
  ハプティクス
  ルール
  プレイヤーの行為と時間
  うわさ
・任意選択的な世界と非整合的な世界
  非整合的な世界
・ゲームにおける時間
  抽象的ゲームにおける時間
  虚構世界を持つリアルタイムゲーム
  虚構世界を持つそのほかのゲーム
  投影
  カットシーンがある最近のゲーム
  ゲームにおける時系列
  『Adventure』と『Pong』 -- 整合的な時間かステージごとの時間か
  へんてこな時間 -- ゲームの時間のルール破り
  止まる世界 -- 主観的な時間?
  時間の経験
・ゲームと物語
  創発的物語とプレイヤーストーリー?
  ゲームの時間 vs 物語の時間
  プレイヤーと虚構世界
・ゲームにおけるフィクション

5. ルールとフィクション 201
・世界空間とゲーム空間
・半分現実のゲーム
・虚構世界を実装する -- 様式化されたシミュレーション
・剣で勝つためにパズルを解く -- 難易度の比喩
・ルールの理解を促すフィクション、フィクションの想像を促すルール
・ルールとフィクションの対立 -- 良い面と悪い面
  透明な壁の向こうから -- プレイヤーを知っているキャラクタ
  風刺
・ルールとフィクションが一致することはあるのか -- ビデオゲームにおける空間
・世界を実装することの問題
・ビデオゲームの青い矢印
・ゲームが意味するもの
  道徳はどこにあるのか
  『Monopoly』はなにを意味するのか
  意味のある自動車事故
  ルールとフィクションの相互作用

6. 結び 236
・古典的ゲームモデル
・半分現実
・ゲームのなかで

参考文献 243
索引 254
訳者あとがき 264
奥付 266



【誤記・誤植の訂正】

p.71 原注†15  [2016/10/10訂正 / PDF ver2で修正]
誤 Neil and Simon
正 Newell and Simon

p.133 図3.25 写真の誤り [2016/11/10訂正 / PDF ver2で修正]
正しくは下記
(a)
FIg3.25a ChuChuRocket Stage5
(b)
Fig 3.25b ChuChuRocket5b



オリジナル発行元 The MIT Press (2005)
http://www.half-real.net/

HALF-REAL: Video Games between Real Rules and Fictional Worlds
by Jesper Juul
Copyright © 2005 by Jesper Juul
Japanese translation published by arrangement with The MIT Press through The English Agency (Japan) Ltd.
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広瀬正敏,
2016/08/27 19:51
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広瀬正敏,
2016/08/27 19:42
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